循環器科

専門性の高い
循環器診療が可能
循環器科
ホームドクターとして確実な診断をすることで、それぞれのお家で可能なQOL維持に最良な治療をご提案します。心臓のどこが・どのように・どれぐらい悪いのかを、検査で把握し、病期に合わせて経過を見ていきます。内科治療を適切な時期から始めることで、お家で元気で生活する時間が延びるということがすでに研究から明らかにされています。内科治療は、心臓と身体を支える治療です。飼い主さん・ペットにしっかり寄り添いサポートいたします。その上で、高度医療(外科手術)が適応の方でご希望の場合には、専門医・専門病院をご紹介することができます。
こんな症状が
あらわれていませんか?
ワンちゃんの場合

- 食欲が減ったように見える
- よく咳をしている
- 最近になって寝ている時間が増えた
ネコちゃんの場合

- 口を開けてハァハァ呼吸をしている
- お腹が動くように呼吸をしている
- 食欲や動きが減った
- 咳が増えた
※猫は症状がわかりにくいことが多いです。
ワンちゃんに
多い心臓疾患
僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症は、シニア犬で最も多い心臓病です。心臓の中にある扉のような構造である弁の閉まりが悪くなることで、心臓内の血流の乱れが生じます。血流の乱れが続くことで全身に向かっての血液が心臓内に滞り、徐々に心臓が大きくなったり(心肥大)、更に進行すると肺水腫という緊急性の高い状況を引き起こします。数年単位で病状が変わらずにいられる子もいれば、数か月で変化が出てくる子もいます。
この病気は、早期発見し、適切な時期から投薬を始めることで心臓の負担を軽減し、進行を遅らせることができます。内科治療では、症状などを考慮して定期的に検査を行い、お薬の種類や量を組み合わせていきます。ホームドクターとして確実な診断をすることで、それぞれのお家で可能なQOL維持に最良な治療をご提案します。その上で高度医療(外科手術)をご希望の方には専門医をご紹介できます。僧帽弁閉鎖不全症は、近年、手術で完治が望めるようになってきました。90%以上の方が、内科治療を望まれているのが現状ではありますが、外科手術も治療の選択肢として考えられるべきものになっています。お気軽にご相談ください。
症状
僧帽弁閉鎖不全症では、病気の進行とともに、咳、疲れやすい、また呼吸が荒いなどの症状がみられるようになります。初期の僧帽弁閉鎖不全症は無症状ですから、症状がないうちからの定期的な検診は病気の早期発見のために重要です。
病気が重くなると、湿った咳、失神、不整脈がみられ、さらに心不全や肺水腫といった致死的な変化へと進むようになります。
発症しやすい犬種
チワワ、キャバリア、マルチーズ、シーズー、トイプードル、ポメラニアン、ミニチュアダックスフンドなどの小型犬に多い症状です。
その他の循環器不全
僧帽弁閉鎖不全症からの肺水腫、三尖弁閉鎖不全症、肺高血圧症、肺動脈弁狭窄症、拡張型心筋症、フィラリア症など。
ネコちゃんに
多い心臓疾患
肥大型心筋症

心筋症とは、心臓が大きくなったり、心臓をつくる壁が厚くなったりする病気です。動物病院で最も多くみられる心臓の病気は心筋症で、いくつかある心筋症のうち、猫では肥大型心筋症がよくみられます。心臓の左側にある壁が厚くなるのが、肥大型心筋症という病気です。
心臓は全身へ血液を常に送り続けています。これは、心臓の筋肉が伸びたり縮んだりを繰り返すポンプのような動きによるものです。肥大型心筋症では、心臓の壁が厚くなることで、心室と呼ばれる心臓の内腔が狭くなります。そのため、心臓が正常に拡張できず、必要量の血液を全身に送ることができなくなると、心不全に至るのが肥大型心筋症の最終的な病態です。
症状
初期の段階では、目に見える症状はほぼありませんが、病気の進行に伴い、動くと息が上がる、呼吸困難、歩き方がおかしい・立てなくなる(足を痛がる・足を触ると怒る)が認められます。肺水腫になったり、胸水が溜まることもあります。心臓の動きが悪くなることで、心臓の中で血栓を作ってしまい、それが血流に乗って血管に詰まると塞栓症を起こします。詰まる場所によって症状は様々ですが、特に多いのが、後ろ足へ向かう動脈に血栓がつまり、急に麻痺がおこり、痛みが強く出る症状です。早急な対応が必要で、命に関わる重要な症状です。
発症しやすい猫種
メインクーン、アメリカンショートヘア、ラグドール、ノルウェージャンフォレストキャット、スコティッシュフォールドなど
その他の循環器不全
拘束型心筋症、僧帽弁閉鎖不全症からの肺水腫、不整脈源性右室心筋症、フィラリア症など
定期的検診を
おすすめします

猫が中高齢になり、咳をしたり、苦しそうにみえたり、呼吸が荒くなったりした場合には、早めに受診してください。
また、当院の健康診断のシニアコースには、聴診検査や心臓マーカーであるBNPが含まれています。1年に1~2回の健康診断をすることで早期発見につながり、早期から治療を始めることで、元気な時間を長くすることが期待できます。心臓は、一度悪くなると治る方向には進まない臓器です。長期的な心臓への負担をお薬で軽くし、上手にお付き合いすることが大事です。