【シリーズ①】犬・猫の皮膚にできものが!長寿化で増加するイボ・腫瘍の見分け方と適切な対処法
- 皮膚科
- 内科 循環器科 腫瘍科
近年、医療の進歩やフードの質の向上により、犬や猫の平均寿命は年々延びています。15歳(大型犬は10歳)以上の高齢犬・高齢猫と暮らしている飼い主様も、もはや珍しくありません。
しかし、そんな「長生き」が当たり前になったからこそ、増えてきているのが「皮膚のできもの」。見た目は同じように見えても、その正体はイボのような良性のものから、命にかかわる悪性腫瘍までさまざまです。
そこでこのシリーズでは、犬や猫の体の部位ごとに発生しやすいできものの種類と対処法を、わかりやすくご紹介していきます。
シリーズ最初の今回は、もっとも飼い主が気づきやすい「皮膚のできもの」について解説します。記事の最後には、よくあるご質問にもQ&A形式でお答えしていますので、ぜひ最後までご覧ください。

■目次
1.皮膚のできものの主な種類
2.症状別・池田動物病院での治療法と対処
3.受診の目安|こんな症状があればご相談ください
4.よくある質問(Q&A)
5.まとめ
皮膚のできものの主な種類
高齢化に伴って増える皮膚のできものには、以下のような種類があります。
① イボ(良性腫瘍)
良性腫瘍とは転移や浸潤をしない腫瘍のことで、基本的にすぐに命にかかわるようなものではありません。犬や猫では、皮脂腺腫や乳頭腫とよばれる良性腫瘍が多くみられます。
大きくなると崩れてジクジクし、悪臭を放つこともあります。
② 脂肪腫
触るとプニプニとやわらかく、オスよりもメスの犬や猫に多く発生します。良性の腫瘍ですがサイズは大小さまざまで、10cmを超えることもあります。こすれる部位にできると、褥瘡(皮膚や皮下組織が圧迫され続けることで血流が悪くなり、組織が壊死してしまう状態)になることもあります。
③ ニキビのようなもの(膿疱・嚢胞など)
皮膚の下に膿や分泌物などが溜まり、皮膚が盛り上がった状態です。腫瘍ではなく、多くは皮膚疾患の一症状としてみられます。出血や破裂を繰り返し、ジクジクしたり化膿することもあります。
④ 悪性腫瘍
転移・浸潤を起こすタイプの腫瘍で、早期発見が重要です。成長のスピードも速く、短期間で命を落としてしまうケースもあります。犬や猫では、肥満細胞腫やリンパ腫、扁平上皮癌などがよくみられます。
⑤ 組織球腫
若い犬に比較的多く発生する良性腫瘍で、赤く盛り上がったできものとして見られます。自然に退縮することもありますが、見た目が悪性腫瘍と似ているため注意が必要です。
⑥ 蜂窩織炎(ほうかしきえん)
細菌感染によって皮膚や皮下組織が化膿し、腫れや痛み、発熱を伴うことがあります。腫瘍ではありませんが、皮膚のできものと見分けがつきにくいため、早めの診断が重要です。
このように、皮膚のできものは脂肪腫から悪性腫瘍まで様々なものがあり、見た目だけではなかなか判断することができません。
症状別・池田動物病院での治療法と対処
治療法や対処法は症状によって異なり、当院では以下のような対応を行っています。
① イボ
液体窒素による冷凍療法が効果的です。全身麻酔が不要なケースも多く、痛みが少ないという特徴があります。
② 脂肪腫
サイズや場所により、経過観察または外科的切除を選択します。
③ ニキビ様病変
切開による排膿処置を行います。局所麻酔で短時間で完了します。
④ 悪性が疑われる場合
外科的切除と病理検査による確定診断を行います。
当院では皮膚のできものの診断・治療を得意としており、適切な判断で最適な治療をご提案いたします。
受診の目安|こんな症状があればご相談ください

できものが見つかっても、「様子見でいいのか」「すぐ受診すべきか」迷う方も多いと思います。皮膚にできものがみられた場合は以下を参考にしながら、病院を受診すべきかどうか判断しましょう。
<すぐに受診が必要なケース>
・急激にサイズが大きくなった
・できものの表面が破れて出血している
・食欲不振・嘔吐など全身症状がある
<早めの受診をおすすめするケース>
・できものの表面がボコボコしている
・できものが硬く、指で押しても動かない
<経過観察でもよいケース>
・できものが小さく、数週間経ってもサイズが変わらない
長寿化により発生リスクが高まっているため、早期発見・早期治療が愛犬・愛猫の健康維持のために重要です。そのため、判断がつかない場合は、早めに動物病院を受診するとより安心でしょう。
よくある質問(Q&A)
Q1:高齢になると、やはりできものは増えますか?
A:はい、増えやすくなります。特に7歳を超えた頃から皮膚のトラブルが増える傾向があります。見た目では判断しづらいため、定期的な触診チェックや健康診断が重要です。
Q2:様子を見ていても大丈夫ですか?
A:一部の皮膚疾患は自然に治る場合もありますが、腫瘍だった場合は放置が命に関わることもあるため自己判断は危険です。迷ったら必ず病院で診断を受けましょう。
Q3:治療は痛くないですか?
A:液体窒素など痛みの少ない治療法もあります。麻酔が必要な場合も事前にしっかり説明いたしますので、心配や不安がある場合は遠慮なくご相談ください。
Q4:費用はどのくらいかかりますか?
A:診断内容・治療法によって異なります。まずは診察でご相談ください。
まとめ
今回は、犬猫の皮膚に見られるできものについてご紹介しました。高齢化に伴って増えるこれらの変化に、早く気づき、適切に対処することが愛犬・愛猫の健康寿命を延ばす第一歩です。
次回は、見逃されやすい「口の中の腫瘍・できもの」について詳しく解説していきますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
当院では、長寿化に伴う皮膚のできものの診療を積極的に行っております。液体窒素治療から外科手術まで、適切な診断と治療法をご提案いたします。気になるできものを見つけられましたら、お気軽にご相談ください。
世田谷区の成城通り病院と祖師谷通り病院の2拠点で、身近な街の動物病院として診療を行っている「池田動物病院グループ」












