猫の健康診断で病気の早期発見を|食事療法で対応できる段階で見つけるためにできること
- 総合診療
「最近よく食べているし、元気そう。健康診断はまだ先でもいいかな」そう感じるのは、とても自然なことです。
ただ、猫は体調の変化を表に出しにくい動物です。見た目はいつも通りでも、体の中では病気が静かに進んでいることがあります。
だからこそ、症状が出ていないうちに状態を確認する健康診断が大切です。早い段階で異変が見つかれば、病気によってはお薬だけでなく、療法食や生活環境の見直しで体への負担を減らしながら管理できることもあります。
この記事では、猫の健康診断が大切な理由、検査で確認すること、受ける頻度の目安、受診のきっかけになるサインをわかりやすくご紹介します。

■目次
1.健康診断が大事な理由
2.健康診断で主に確認すること
3.画像検査が役立つこともあります
4.健康診断だけでいい?定期検診が必要な猫とは
5.飼い主様が気づける「体調不良のサイン」
6.費用や準備について
7.秋の健診キャンペーンのご案内
8.まとめ
健康診断が大事な理由
猫は体調の変化を表に出しにくく、見た目には元気そうでも、体の中では病気が静かに進んでいることがあります。特に年齢を重ねると、少しずつ注意したい病気が増えてきます。
たとえば、腎臓の病気は初期には目立った症状が出にくく、気づいたときには進行していることがあります。
甲状腺の病気では、食欲はあるのに痩せてくる、落ち着きがなくなる、よく鳴くといった変化が見られることがあります。
また、関節のトラブルがあると、高い場所に上がらなくなる、動きが減るなどの変化が出ますが「年を取ったからかな」と見過ごされやすいこともあります。
さらに、心臓病も見た目では分かりにくいまま進行することがあり、聴診や画像検査ではじめて異変に気づくケースも少なくありません。
こうした変化を早めに見つけるために大切なのが健康診断です。
早期に異常が見つかれば、病気の種類や進行度によっては、すぐに強い治療が必要になるとは限りません。
療法食やサプリメントの活用、生活環境の工夫によって、体への負担を減らしながら進行をゆるやかにできることもあります。
元気に見える今のうちに体の状態を確認しておくことが、将来の安心につながります。
健康診断で主に確認すること
健康診断というと検査が主役のように感じられますが、実は、飼い主様からの情報と身体チェックがとても重要です。猫は緊張すると動きが固くなったり、呼吸が早くなったりと、いつもとは違う様子になりやすいため、病院で見える姿だけでは判断しきれないことがあります。
まず、食欲、飲水量、体重の変化、排尿・排便、嘔吐の頻度、活動量などを確認します。吐き方や呼吸、歩き方などをスマホで動画に撮ってお持ちいただくことも、診断の大きな手がかりになります。
診察では、体重測定、触診、聴診、口の中や皮膚・被毛の状態などを見ていきます。必要に応じて、血液検査や尿検査を行い、腎臓や肝臓の働き、血糖値、貧血や炎症の有無、尿の性質や結晶の有無などを調べます。
血液検査でわかることについては、当院のInstagram投稿でもわかりやすくご紹介しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
画像検査が役立つこともあります
「血液検査だけで十分ですか?」というご質問をいただくことがありますが、血液検査だけでは分かりづらい情報もあります。そんなときに役立つのが、レントゲン検査やエコー検査です。
血液検査は体の変化を数値で捉えるのが得意ですが、臓器の大きさや形、心臓の動き、膀胱や胆のうの様子などは画像検査のほうが把握しやすい場合があります。
特にシニア猫では、腎臓や心臓の変化が少しずつ進行している場合もあるため、こうした画像で確認する意義が大きくなることがあります。
健康診断だけでいい?定期検診が必要な猫とは
健康診断と定期検診は、どちらも猫の体の状態を確認するために行うものですが、目的が少し異なります。
健康診断は、現在大きな症状や持病がなく、健康そうに見える子に対して、「病気が隠れていないか」「今の体の状態はどうか」を確認するために行います。
一方、定期検診は、健康診断で経過観察となった項目がある子や持病がある子に対して、病気の変化や治療の経過を定期的に確認するために行います。
例えば、次のような子では、健康診断ではなく定期検診として継続的に状態を確認していくことが大切です。
・健康診断で経過観察となった項目がある子
・持病がある子
・定期的に薬を飲んでいる子
・過去に大きな手術を受けたことがある子
・病気の経過を継続して確認する必要がある子
どのくらいの頻度で受診するかは、その子の年齢や体調、検査結果によって異なります。迷う場合は、動物病院で相談しながら、その子に合ったタイミングを決めていきましょう。
飼い主様が気づける「体調不良のサイン」

健康診断は“症状が出る前”の変化を見つけるために役立ちますが、「症状が出てから受診すること」も同じくらい大切です。次のような変化があるときは、早めに動物病院へご相談ください。
・嘔吐が増えた
・食欲が落ちた/食べ方が変わった(噛みにくそう、途中でやめる など)
・体重が減ってきた
・水を飲む量・尿の量が増えた(または減った)
・口臭が強い/よだれが増えた
・呼吸が荒い/いつもより疲れやすい
緊急性が高いサインについては「緊急受診の目安(猫)」のページもあわせて参考になさってください。
費用や準備について
健康診断では「費用はどのくらいか」「何を準備すればよいか」が気になる飼い主様も多いと思います。
〈費用について〉
健康診断の費用は、基本的な検査を中心に行うか、より詳しい追加検査まで含めるかによって変わります。池田動物病院 成城通り病院でも、年齢や気になる症状に合わせて選べる複数のコースをご用意しています。
大切なのは、すべてを一度に行うことではなく、その子の年齢や体調に合わせて必要な検査を整理することです。まずは基本的な検査から始め、必要に応じて追加の検査を検討していくこともできます。
〈当日の準備について〉
検査内容によっては絶食が必要な場合があります。詳しい準備については、ご予約時にご案内いたします。猫は移動や待合室で緊張しやすいため、慣れた毛布やタオルをキャリーに入れておくのもおすすめです。
秋の健診キャンペーンのご案内
池田動物病院 成城通り病院では、9月中旬から11月中旬頃までの期間限定で「秋の健康診断キャンペーン」を実施予定です。血液検査・尿検査を含むベーシックなコースから、レントゲンやエコー検査までまとめて行えるコースまで、通常より受診しやすいセットプランをご用意しています。
キャンペーンのご予約・お問い合わせは、お電話(03-3300-5439)にて承っております。
※この記事は「成城通り病院」のご案内です。
まとめ
猫の病気は「元気がない」「食べない」といった分かりやすい症状が出る前に、静かに進んでいることがあります。だからこそ健康診断は「今は元気そう」というタイミングで受けていただくことに大きな意味があります。早い段階で見つかれば、状態によっては療法食や生活環境の見直しなどで負担を減らしながら、長く上手に付き合っていける可能性もあります。
一方で、嘔吐や食欲低下、体重減少などの変化がある場合は、健康診断とは別に早めの受診が大切です。少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
■関連する記事はこちらです
猫の歯肉炎のサイン!|愛猫の小さな変化、見逃していませんか?
世田谷区の成城通り病院と祖師谷通り病院の2拠点で、身近な街の動物病院として診療を行っている「池田動物病院グループ」












