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腎臓病は早期発見がカギ!犬猫で違う病気の進み方と、今日からできる対策とは

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「最近、水を飲む量が増えた気がする」「トイレの回数が増えたかも」「なんとなく痩せてきたように見える」

 

こうした変化は、犬や猫と暮らす飼い主様が日常の中で気づきやすい“体からのサイン”です。とはいえ、暑さや運動量、食事内容などによっても水の飲み方や尿の量は変わるため、「気のせいかな」と迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

 

ただ、水を飲む量や尿の量に変化があるときは、体の中で水分バランスの調整がうまくいっていない可能性があります。そして、その調整の中心を担っているのが腎臓です。

腎臓は、体に不要なものを尿として外に出すだけでなく、水分や塩分のバランスを整え、全身の状態を保つ働きにも関わる大切な臓器です。一方で、腎臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれ、初期の不調が目立ちにくいため、気づいたときには病気が進んでいることもあります。

 

だからこそ、腎臓病は「早めに気づいて、早めに対策を始めること」がとても重要です。早い段階から食事や水分管理、定期的な検査を行うことで、生活の質(QOL)を保ちながら過ごせる可能性があります。

 

この記事では、腎臓病の基本と犬・猫での違い、飼い主様が気づきやすい初期症状、動物病院での検査、そして今日からできる生活の工夫までを、わかりやすく紹介します。

■目次
1.腎臓病とは?
2.犬と猫で何が違う?
3.腎臓病の原因|1つに決めつけず、全体像を整理する
4.初期症状は?
5.どうやって見つける?
6.治療の考え方|完治ではなく「進行をゆるやかに」
7.食事・生活でできること|今日からできる具体策
8.予防と早期発見のために|元気なうちのチェックがいちばん大切
9.まとめ

 

腎臓病とは?

腎臓は「尿をつくる場所」というイメージがあるかもしれませんが、実際にはそれだけではありません。体に不要なものを尿として外に出しながら、水分や塩分のバランスを整えたり、血液をつくる働きを助けたりして、全身の状態を保っています

 

この腎臓の働きが落ちる病気が腎臓病です。腎臓病は大きく分けると、次の2つがあります。

 

・慢性腎臓病
腎臓の働きがゆっくり長い時間をかけて低下していく状態です。シニア期に増えやすく、とくに猫ではよく見られます。

 

・急性腎障害
腎臓の働きが短期間で急に悪くなる状態です。脱水や中毒、感染などが関係することがあり、急な体調不良として気づかれることもあります。

 

犬と猫で何が違う?

腎臓病は犬にも猫にも起こりますが、病気の見つかり方や進み方には傾向の違いがあります。もちろん個体差はありますが、知っておくと日々の観察に役立ちます。

 

〈犬:慢性だけでなく急性のトラブルにも注意〉

犬でも慢性腎臓病は見られますが、それだけでなく、脱水や誤食などをきっかけに急性腎障害を起こすこともあります。急な嘔吐やぐったりする様子など、突然の体調不良として現れることがあり、早めの対応が必要になる場合があります。

 

〈猫:ゆっくり進み、気づきにくいことがある〉

猫では、年齢とともに慢性腎臓病がゆっくり進行するケースが多く見られます。飲水量や尿量の変化も少しずつ現れるため「歳のせいかな」と思われやすいのが特徴です。

 

一方で、尿道閉塞によって尿が出なくなると、短時間で腎臓に大きな負担がかかり、急性腎不全につながることがあります。特にオス猫では尿道が詰まりやすいため、何度もトイレに行くのに尿が出ていない、ぐったりしている、吐いているといった様子がある場合は、早急な受診が必要です。

 

犬も猫も、症状だけで判断しにくい病気だからこそ、日々の観察と定期的なチェックが大切です。

 

腎臓病の原因|1つに決めつけず、全体像を整理する

腎臓病の原因は、ひとつだけとは限りません。実際には、いくつかの要因が重なって起こることもあります。

 

加齢や体質
脱水(飲水不足、下痢・嘔吐、暑さなど)
感染や炎症
結石・尿路トラブル
薬や有害なものの誤食
他の病気の影響(血圧、ホルモンの病気など)

 

腎臓病は、見た目の症状だけで原因を絞りきれないことも多い病気です。
だからこそ、検査を通して「今どこに問題がありそうか」「何が関係していそうか」を整理することが、適切な治療や生活管理につながります。

 

誤飲誤食について、詳しくはこちらをご覧ください

 

初期症状は?

腎臓病は初期のうちは目立った症状が出にくく、異変に気づきにくいことがあります。だからこそ、飲水量や尿量、食欲、体重など、日常のささいな変化に目を向けることが大切です。

 

〈早い段階で見られやすい変化〉

食べ物の好みが変わる
水を飲む量が増える
尿の量が増える
尿の色が薄い感じがする
食欲のムラが出る、食べる量が少し減る
体重が少しずつ減る
毛ヅヤが落ちる
なんとなく元気がない気がする

 

〈進行したときに見られやすいサイン〉

嘔吐
元気がない
口臭が強い
口の中が荒れているように見える(口内炎っぽい)
脱水(皮膚の張りが弱い、ぐったりする)
ふらつき など

 

ここで大切なのは「こういう症状がある=腎臓病」と決めつけることではありません。むしろ、こうした変化が見られたときに、血液検査や尿検査で早めに確認することが重要です。

 

どうやって見つける?

腎臓病を見つけるうえで大切なのは、まずご家庭での小さな変化に気づくことです。
そのうえで、気になる様子があれば、動物病院で血液検査や尿検査を受けて確認していきます。

 

〈家庭でできるチェック〉

飼い主様ができることは、特別なことではありません。大切なのはその子の「いつもと違う」を拾うことです。

 

・飲水量:前より増えた/器の減りが早い
・尿量・トイレ回数:回数が増えた、シートが重い、猫砂の塊が大きい
・体重:月1回でもよいので変化を見る
・食欲・元気:食べムラ、寝ている時間が増えた、遊ばなくなった など

 

〈病院でのチェック〉

動物病院では、主に次のような検査を組み合わせて腎臓の状態を確認します。

 

・血液検査
腎臓に関わる数値や、脱水の影響などを調べます。

 

・尿検査
尿の濃さやタンパクの有無、尿の中の成分などを確認し、腎臓がどの程度尿を濃くできているかを見ます。

 

必要に応じて、以下のような検査を追加することもあります。

 

・画像検査(レントゲン・エコーなど)
腎臓の形や大きさ、結石の有無などを確認します。

 

・血圧測定
腎臓病と関係して血圧が高くなることがあるためです。

 

ここで知っておいていただきたいのは、腎臓病は1回の検査だけで断定できないことも多いという点です。数値は食事や水分の状態、体調によって変動することがあるため、複数の情報をあわせて総合的に判断します。だからこそ「気になった時点で相談する」ことに意味があります。

 

治療の考え方|完治ではなく「進行をゆるやかに」

腎臓病の中には、原因や状態によって回復が見込めるものもありますが、慢性腎臓病では、低下した腎臓の機能を完全に元通りにすることは難しいとされています。

 

ただし、腎臓病は「何もできない病気」ではありません。早期に見つけて対策を始めるほど、進行のスピードをゆるやかにできる可能性があり、結果として生活の質や過ごせる時間に大きく関わってきます。

 

治療の基本は、今の状態をできるだけ長く保つことです。

 

1. 食事(療法食)
腎臓の負担を減らすため、必要に応じて療法食を選びます。

 

2. 水分管理
飲水を増やす工夫に加えて、状態によっては点滴(皮下補液など)を取り入れることもあります。

 

3. 吐き気・食欲のコントロール
食べられない状態が続くと体力が落ちやすいため、吐き気や食欲を支える治療を行うことがあります。

 

4. 合併しやすい問題への対応
血圧、尿タンパク、貧血など、腎臓病に伴って出やすい問題を一緒に管理していきます。

 

食事・生活でできること|今日からできる具体策

ここからは、飼い主様が日常の中で取り入れやすい工夫をご紹介します。どれも完璧を目指す必要はなく、できることからで大丈夫です。

 

・食事内容は自己判断で変えない
腎臓病と聞いて、食事はどうしたらよいのだろうと気になる方もいるかもしれません。実際にインターネットなどで調べると「タンパク質を減らしたほうがよい」といった情報を目にすることもあります。
ただし、自己判断で食事内容を変えてしまうと、筋肉量や体力の低下につながることもあります。
腎臓の状態や年齢、体格によって合う食事はそれぞれ異なるため、まずは動物病院で相談し、必要に応じて療法食を検討するのがおすすめです。

 

・水分をとりやすい環境を整える
水分管理はとても大切ですが、「たくさん飲ませないと」と頑張りすぎる必要はありません。
水飲み場を増やす、器の素材や形を変える、循環式給水器を試す、ウェットフードを取り入れるなど、その子に合った形で飲みやすい環境を整えることが現実的です。

 

・必要に応じて薬や点滴を続ける
腎臓病の管理では、食事や生活環境の工夫だけでなく、状態に応じた投薬や点滴が必要になることがあります。

 

たとえば、吐き気や食欲不振、血圧、貧血、尿タンパクなど、腎臓病に伴って起こりやすい問題に対して薬を使うことがあります。

 

また、水分バランスを支えるために、定期的な皮下補液を行う場合もあります。

 

薬や点滴の内容・頻度は、その子の状態によって異なります。自己判断で中止したり量を変えたりせず、定期的に状態を確認しながら続けていくことが大切です。

 

通院での皮下補液が負担になる場合は、ご自宅で皮下点滴を続ける方法が合うケースもあります。当院では、ご自宅での皮下点滴をご希望の場合のご相談にも対応していますので、お気軽にご相談ください

 

・体重・運動・ストレスの管理
適正体重を保つことは、全身の負担を減らすことにつながります。過度な運動負荷は避けつつ、筋力は落としすぎないように、体調に合わせて無理のない範囲で動ける生活を意識します。
また、猫では環境ストレスが食欲に影響しやすいため、トイレや食事場所、落ち着ける居場所の見直しも役立ちます。

 

・定期的な検査で変化をみる
腎臓病の管理では、1回の検査結果だけでなく、時間の経過でどう変化しているかを見ることが大切です。検査の頻度は状態によって異なりますが、早い段階から定期的にチェックしておくと、変化をつかみやすくなります。

 

予防と早期発見のために|元気なうちのチェックがいちばん大切

腎臓病は、症状がはっきり出たときには、すでに病気が進んでいることがあります。
だからこそ、元気なうちからの定期検査がとても重要です。

 

血液検査と尿検査を組み合わせて、その子の「いつもの状態」を知っておくことは、将来の変化に早く気づくための大切な土台になります。

 

特にシニア期に入った犬や猫では、症状がなくても健康診断で血液検査や尿検査を受けておくことが、腎臓病の早期発見につながります。

 

「まだ元気だから大丈夫」と思える時期こそ、定期的に状態を確認しておくことに意味があります。

 

まとめ

腎臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるように、初期の不調が分かりにくいことがあります。
犬と猫では進み方や気づき方に違いがある傾向はありますが、共通して大切なのは早期発見と早期対策です。

 

腎臓病は、完治を目指すというよりも、上手に付き合っていく病気です。少しずつ進行していくことも多いため、食事や水分管理、定期検査を続けながら、その子ができるだけ穏やかに過ごせる時間を支えていくことが大切です。

 

また、病気が進んできたときには、どのように過ごさせてあげたいか、どのように見守っていくかを考える場面も出てきます。ご家族だけで抱え込まず、獣医師と相談しながら、1日1日を少しでも楽しく過ごせる工夫を一緒に考えていきましょう。

 

「水をよく飲む」「おしっこが増えた」「体重が落ちてきた」
そんな変化に気づいたときは、早めに血液検査や尿検査で確認してみてください。飼い主様が感じた小さな違和感は、とても大切な手がかりです。
世田谷区の成城通り病院と祖師谷通り病院の2拠点で、身近な街の動物病院として診療を行っている池田動物病院グループ

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