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犬や猫の老化を見逃さないために【後編】|皮膚・筋力・歯・季節ごとの対策

  • 内科 循環器科 腫瘍科

愛犬・愛猫の様子が少しずつ変わってきたと感じたことはありませんか? 例えば、歩く速度がゆっくりになったり、毛並みが以前よりパサついてきたり、食欲にムラが出てきたなどの小さな変化。実は、これらの変化は「老化のサイン」である可能性があります。

 

今回は、犬や猫の老化によって現れる身体の外側や口腔内の変化、そして季節の変わり目に気をつけたいポイントについて解説します。

 

また、今回の記事は「後編」となります。前編では主に、感覚器官の変化(目や耳、認知機能など)について詳しくご紹介していますので、ぜひ前編も合わせてご覧ください。

 

前編の記事(目・耳・鼻・内臓の変化)はこちら

■目次
1.見た目にあらわれる老化サインとお手入れの工夫
2.歯がなくなる前にできること・なくなった後に気をつけたいこと
3.季節の変わり目に体調を崩させないために
4.まとめ

 

見た目にあらわれる老化サインとお手入れの工夫

老化が進むと、まず目に見えてわかりやすいのが皮膚や被毛、筋肉量の変化です。
こうした身体の外側に現れる変化は、見た目の印象だけでなく、全身の健康にも深く関わってきます。

 

<皮膚の乾燥・被毛の変化>

◆主な症状
・皮膚の乾燥やフケの増加
・被毛のパサつきやツヤの低下
・抜け毛が多くなる

 

◆考えられる病気
加齢によって皮脂の分泌量が減少することが主な原因ですが、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)など、ホルモンの異常が関係している可能性もあります。
過度に乾燥している場合や皮膚炎を繰り返すような場合は、一度、獣医師に診てもらいましょう。

 

◆ケア方法
保湿効果のあるシャンプーや、保湿剤を活用することが効果的です。
また、定期的なブラッシングは血行を促進し、皮膚の状態を確認するのにも役立ちます。
特に猫の場合は、年齢とともにグルーミングを自分で行う頻度が減ることがあるため、飼い主様が代わりにお手入れをしてあげることが、これまで以上に大切になります。

皮膚トラブルについてはこちらで解説しています

 

<筋力の低下・体重減少>

◆主な症状
・後肢が細くなる
・体重が減る
・歩き方がふらつく、動きが鈍くなる

 

◆考えられる病気
単なる運動不足ではなく、変形性関節症や神経疾患が背景にあることもあります。

 

◆ケア方法
筋肉量を維持するためには、関節に負担をかけない範囲での軽い運動(散歩や上下運動)、リハビリ的なストレッチ、そして高タンパク質で消化吸収に優れた食事がポイントになります。

 

 

歯がなくなる前にできること・なくなった後に気をつけたいこと

口腔ケアは年齢に関係なく日々のケアが大切ですが、老化が進むにつれて、その重要性はますます高くなります。
愛犬・愛猫の口腔の健康を守るために、早期からの対策が必要です。

 

<歯周病の予防ケア>

歯石の蓄積や歯肉炎、歯周病が進行すると、痛みや口臭、食欲の低下などの問題が生じ、さらには全身疾患のリスクが高まることもあります。
特に高齢になると、麻酔のリスクも懸念されるため、若いうちからの口腔ケアが非常に重要です。

歯肉炎についてはこちらで解説しています
口腔ケアについてはこちらで解説しています

 

<歯を失った後の食事>

抜歯や自然脱落によって歯が少なくなった場合、食事形態の見直しが必要になります。
硬いフードをそのまま与えるのは負担が大きくなりますので、ウェットタイプやふやかしたフードに切り替えることで、栄養をしっかりと摂取できるように配慮します。
また、舌や顎の筋力低下も進行している可能性があるため、食事の高さや器の工夫も重要です。

 

犬や猫の場合、口臭や食べ方に変化が表れることが多いため、よだれが増えたり片側でしか噛まない仕草を見せたりすることで異変に気づくことがあります。
口腔の健康はQOL(生活の質)に直結しますので、違和感があれば早めに獣医師に相談することが大切です。

 

 

季節の変わり目に体調を崩させないために

年齢を重ねることで、犬や猫の体は環境の変化に対応する力が徐々に衰えていきます。
特に季節の変わり目は体調を崩しやすくなるため、飼い主様の細やかな配慮が重要です。

 

<夏の暑さ対策>

高齢の犬や猫は体温調節機能が低下しているため、熱中症のリスクが高くなります。
そのため、外気温に応じた適切な空調管理が欠かせません。特に日中の散歩は、早朝や夕方など涼しい時間帯にずらすことが大切です。

 

また、室内では直射日光が当たらないようにカーテンを引く、冷房の設定温度を23〜25℃程度に保つなど、涼しく快適な空間作りを心がけましょう。

 

<寒暖差・湿度対策>

特に梅雨時期や、秋から冬にかけての寒暖差は、愛犬・愛猫の体調を崩す原因になりやすい時期です。
関節の痛みが出やすくなったり、食欲が落ちたり、下痢や便秘といった消化器の不調が見られることもあります。

 

そのため、ベッドの位置を見直したり、ペット用ヒーターや保温マットを取り入れたりすることで、体温調節をサポートしてあげましょう。

 

<快適な生活環境の整え方>

犬や猫が安心して休めるスペースを整えることも重要です。
段差をなくしたり、滑りにくい床材を敷いたりすることで、転倒事故の予防にもつながります。
また、トイレの位置も年齢に応じて見直すと良いでしょう。高齢になると「間に合わない」ことが増えるため、トイレを複数台設置しておくことをおすすめします。

 

 

まとめ

加齢による変化は、どの犬や猫にも訪れる自然なものですが、その進行をゆるやかにし、快適に過ごすための工夫はたくさんあります。
「年だから仕方ない」とあきらめるのではなく、「年を重ねても、愛犬・愛猫らしく健やかに過ごせるように」と前向きに考えていきましょう。

 

当院では、シニア期に入った犬や猫のケアにも力を入れており、身体の状態に合わせた食事のご提案をはじめ、皮膚や口腔のケア、住環境の整え方まで、飼い主様と一緒に取り組んでまいります。

 

少しの変化でも「なんだかいつもと違う」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

世田谷区の成城通り病院と祖師谷通り病院の2拠点で、身近な街の動物病院として診療を行っている池田動物病院グループ

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Doctor's File 池田宏司院長

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